ラクトフェリン研究室

ラクトフェリン研究室:研究テーマは「ラクトフェリン」。その研究過程から「脂質異常」に関する発見があり、「内臓脂肪」の健康研究が始まりました。
ここでは研究により発見され、ライオン製品開発のカギとなっている技術・研究成果を紹介します。

ラクトフェリンの効果検証2 世界で初めて確認!ラクトフェリンによる脂肪蓄積抑制効果の検証

「ラクトフェリン」による内臓脂肪低減効果を二重盲検法でも確認

「ラクトフェリン」の内臓脂肪低減効果のさらなる確認のため、二重盲検群間比較法(※注1)にて年齢30~62歳 body mass index(BMI):25以上の成人男女30名(うち有効サンプル数26名)を対象に臨床試験を実施しました。対象者を2群に分け、一方は胃液の中では溶けず腸に届いてから溶ける「腸溶加工」を施したラクトフェリンタブレット(ラクトフェリンとして1日あたり300mg相当)を摂取するグループ(摂取群)に、もう一方はラクトフェリンの入っていないタブレットを摂取するグループ(プラセボ群)とし、2ヶ月間摂取してもらい、摂取前後でのCT撮影による腹部脂肪面積(※注2)の測定、尿検査と4週間毎の医師による問診、身長、体重、腹囲、臀部囲、血圧、血液検査、日誌および食事記録、運動量記録を実施しました。試験期間中の運動による負荷や食事制限は実施しませんでした。
その結果、「ラクトフェリンタブレット」の2ヶ月間の摂取で、プラセボ群と比較して、CT撮影による腹部内臓脂肪面積が平均値で12.8cm2(図1-1)、腹囲3.4cm(図1-2)、体重2.5kg(図1-3)などの有意な減少が確認されました。これらの結果より「ラクトフェリンタブレット」はヒトに対して脂質代謝改善効果を示すことが明らかになりました。

※1二重盲検群間比較法とは 本物と外観や手触りなど全く本物と同じに構成された偽物の2種類を準備し、被験者及び試験者には試験に用いるものが本物あるいは偽者かわからないようにして行う試験方法です。思い込みによる効果を排除して信頼性の高いデータが必要な場合に用いられます。
※2メタボリックシンドロームの診断基準では、腹囲で男性85cm、女性90cm以上となっています。内臓脂肪の測定には腹部CTによる判定が正確とされています。

図1-1)内臓脂肪面積(CT)の変化(平均値)と被験者のCT断層撮影結果 内臓脂肪 皮下脂肪
図1-2)腹囲の変化(平均値) 図1-3)体重の変化(平均値)

さらに他の評価項目も解析。ラクトフェリン摂取群はプラセボ群に比べて、平均値で臀部囲2.5cm(図1-4)、BMI0.9kg/m2(図1-5)の有意な減少が明らかになりました。


図1-4)臀部囲の変化(平均値) 図1-5)BMIの変化(平均値)

腸まで届く「ラクトフェリン」の脂肪蓄積抑制の効果

内臓脂肪は、腸管の周りに存在する「脂肪細胞」の中に蓄積されます。 そこで、この「脂肪細胞」の脂肪蓄積量を測定することで、「ラクトフェリン」の脂肪蓄積抑制効果の有無を調べました。 ラットの内臓脂肪組織より調製した脂肪細胞に「ラクトフェリン」を添加して7日間培養し、細胞内に蓄積されている脂肪の定量を行いました。 その結果、ラクトフェリンの添加により、脂肪の蓄積が有意に抑制されることが明らかになりました(図2-1)。一方、ラクトフェリンは胃および小腸で分解することが知られています。そこで、同じくラット脂肪細胞に、ラクトフェリンの小腸分解物(※3)、および胃分解物(※4)を添加したところ、小腸分解物では、ラクトフェリン同様、脂肪蓄積抑制効果が確認されました。 一方、胃分解物では、同様の作用が認められませんでした。 この結果により、内臓脂肪の蓄積抑制には、摂取する「ラクトフェリン」が胃で分解されず小腸まで届く“腸溶性”を持つことが重要であることが確認されました(図2-2)。

※3ラクトフェリンを小腸に存在する消化酵素「トリプシン」で分解したもの
※4ラクトフェリンを胃に存在する消化酵素「ペプシン」で分解したもの

図2-1)ラクトフェリンの脂肪蓄積抑制効果 図2-2)「ラクトフェリンの胃分解物」及び「ラクトフェリンの小腸分解物」の脂肪蓄積抑制効果
以上の研究成果により、ライオンは多機能たんぱく質「ラクトフェリン」がメタボリックシンドロームの共通因子である「内臓脂肪の蓄積」の抑制に有効であることを、ヒトの臨床試験で確認するとともに、そのメカニズムとして、胃で分解されずに小腸まで届いた「ラクトフェリン」が脂肪細胞の脂肪蓄積を抑制することを明らかにしました。

2008年10月 第29回日本肥満学会、2008年11月第13回日本フードファクター学会で発表

次は・・・ラクトフェリンの効果検証3 世界で初めて確認、ラクトフェリンの新たな作用

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